名古屋大学大学院理学研究科 物質理学専攻(化学系)/ 名古屋大学理学部 化学科

大学院

入学した学生は講義を受講するとともに、11の研究室・グループのいずれかに属し、指導教員の指導の下に研究を行って修士の学位をめざします。講義には、理学研究科の理念である領域間融合型の知識を得るための境界領域科目であるコア科目のほか、化学の専門を深く究める科目があり、両方の単位を修得することが求められます。また、研究室でのセミナーなどを通じての講究(演習)科目の単位を修得せねばなりません。入学後標準2年で修士論文を仕上げ、修士の学位が授与されます。院生の研究、勉学意欲の向上を目指して、「優秀学位論文賞」という顕彰制度も設けられています。

修士の学位を取得した後は、大学院に残ってさらに博士課程後期に進学し、研究の道を究めて博士の学位をめざす人、民間企業などへ就職する人などさまざまです。平成31年度から令和4年度までの4年間では、174名の修士取得者のうち、博士課程後期進学者39名、民間企業等就職者134名でした。他大学で修士の学位を得た人が理学専攻(物質・生命化学領域)の後期課程に入学するケースも少なくありません。いずれの場合も標準3年の修業年限の後、博士論文を仕上げ、学位審査に合格すれば、博士(理学)の学位が授与され、一人前の研究者の誕生です。また、特に優秀な学生には3年を待たずに博士の学位が授与される繰り上げ制度もあります。学位取得後の進路も、大学や研究機関の研究者、民間企業、種々の博士研究員など多彩です。

在学期間中の経済支援としては、例えば日本学生支援機構からの奨学金制度があります。平成31年度から令和3年度までの3年間、博士課程前期(修士)に入学した133名のうち、第一種奨学金の貸与希望者が52名、この中で実際に貸与を受けられたのは52名でした。また博士課程後期では希望者全員が貸与を受けています。また、優秀な博士後期課程学生をサポートする日本学術振興会特別研究員の制度もあり、採用された場合、早ければ博士後期課程進学時から給与(令和4年度で月額20万円)と研究費(毎年度150万円以内)が支給されます。平成31~令和3年度の3年間で18名が採用されています。

近年、大学院生はTA(teaching assistant)あるいはRA(research assistant)として、理学部化学科や大学院の教育・研究に積極的に参加するようになりました。TAは学部における授業や化学実験の補助を行うもので、毎年博士前期課程(修士課程)の学生を対象に採用されています。RAは各研究室で進行する研究プロジェクトに参加し、必要な機器の管理や効果的な研究活動の推進の補助を行うもので、博士後期課程の学生を対象に毎年5名程度が採用されています。大学院生は、業務から得られる報酬を受けながら、教育・研究の指導者となるため、絶好のトレーニングを積むことができます。

大学院の授業

大学院生向けの集中講義  2023年9月8日更新!!

成績評価基準

理学研究科(前期課程)の成績評価基準

試験、レポート、発表、出席、討議等に基づき、目標達成率を評価する。100点満点で60点以上を合格とし、60点以上64点までをC-、65点以上69点までをC、70点以上79点までをB、80点以上94点までをA、95点以上をA+とする。具体的な評価対象事項は、各授業シラバスの「成績評価」に記す。

理学研究科(後期課程)の成績評価基準

研究対象とする分野の最前線を理解し、必要な基礎ならびに専門知識、技術を修得し、最前線で活躍できる能力を獲得することを目的とする。これらの研究を通して、主体的な研究姿勢、論理的思考法、創造力、忍耐力等を身に付けることを目指す。成績評価は、日常の研究活動、セミナー発表をはじめとして、総体的に行なう。

優秀学位論文賞

21世紀においては、基礎科学水準のさらなる飛躍が重要であり、加えて創造的な科学技術を広範に創出することが期待されている。流動的で複雑化した不透明な時代において、豊かな未来を開く原動力となるためには、優秀な人材の輩出が不可欠である。

理学専攻物質・生命化学領域(物質科学専攻化学系)が、世界の化学の中心として研究・教育を展開してきたことは、広く認められているところである。しかしながら、より一層の発展を期すためには、若き研究者への特徴のある高い質の教育が重要であり、これに応えるべくスクーリングの充実を実施しつつある。

若き研究者の潜在的資質、研究能力の評価は今日的課題で極めて重要である。評価はスクーリングの内容とも関連するが、ここに「優秀学位論文賞」としてこれを実現し、切磋琢磨の原動力とならんことを希望する。

  • 「優秀学位論文賞」の対象者
    理学専攻物質・生命化学領域の博士前期課程に属し、修士学位試験合格者とする。
  • 「優秀学位論文賞」の内容
    各年度3名以下とし、表彰状および記念品を授与する。
  • 「優秀学位論文賞」の選考
    各年度において、教務主任(理学専攻物質・生命化学領域)を長とする選考委員会の決議による。
    選考委員会に関することは別途定める。