Post-graduation Pathways

卒業後の進路

学部を卒業して

最近のデータによると、化学教室の学部卒業生の進路は、大学院への進学は約90%であり、その他10%が企業就職などです。学部卒で就職する場合、行き先は高校の教員、国家・地方の公務員、企業の開発部署や総合職など広範囲にわたっています。企業の業種としては化学だけでなく、食料・電気・機会、ときには金融・サービス業にまで及んでいます。

 

 

大学院への進学の重要度はますます上がっています。より高度な研究・教育による人材の養成が求められている結果であり、研究にもっと打ち込んでみたいという学生の意欲の現れと考えられます。博士前期課程修了者(修士号取得者)は企業における理系人材の中心です。「理学部在籍」という点が就職に影響することは化学では見られません。この状況は、社会に関連が深い「化学」に関する知識・考え方が高い多様性を有しているためであり、また卒業生が高い習得度を達成していることが評価されているためと思われます。

近年は、企業内でイノベーションを起こせるハイテック人材として「博士号」取得者に注目が集まっています。博士後期課程修了者は、企業の研究職、アカデミア(大学機関や研究所)の研究職での活躍が期待されています。博士号を有した専門人材を投入したいというニーズが近年イノベーションを求める企業で高まっています。研究室や共同研究で専門性を磨き、研究の立案・遂行について豊かな経験を積む、そして成熟した研究者として社会に巣立っていきます。

化学教室卒業生の進路
学部生

H30-R4年度(5年間)の卒業生 総数260人 年平均52名

進学
名大・京大・東大・阪大・北大・総研大・奈良先端 等

企業
三菱UFJ銀行・三井住友銀行・トヨタ自動車・トヨタ紡織・本田技研工業・中部薬品・巴工業・宇部エクシモ・テスク・ホーユー・大日精化工業・日本血液製剤機構 等

博士前期課程(修士)

H30-R4年度(5年間)の卒業生 総数219人 年平均43名

進学
名大・東大・京大・阪大・東工大・総研大・関学 等

企業
信越化学工業・住友化学・旭化成・三菱ケミカル・日立化成・第一三共・塩野義製薬・協和キリン・富士フィルム・花王・メナード・高砂香料工業・長瀬産業・東レ・東ソー・日本ガイシ・TOTO・日本特殊陶業・トヨタ自動車・デンソー・アイシン・竹本油脂・フタムラ化学・日本触媒・中部電力・村田製作所・キオクシア・ブラザー工業 等

博士後期課程(博士)

H30-R4年度(5年間)の卒業生 総数57人 年平均11名

アカデミア
名大・北大・Cambridge(英)・電通大・関西学院大 等 研究所 産業技術総合研究所・理化学研究所

企業
信越化学工業・住友化学・三井化学・レゾナック・クレハ・トヨタ自動車・三菱自動車工業・東レ・東ソー・HOYA・第一三共・大日本住友製薬・大鵬薬品・富士薬品・小野薬品・日本マイクロバイオファーマ・シオノギファーマ・日本触媒・DIC・ハリマ化成・東京化成工業・日立金属 等

博士前期課程:修士の学位を目指す人

入学した学生は講義を受講するとともに、11の研究室・グループのいずれかに属し、指導教員の指導の下に研究を行って修士の学位をめざします。講義には、理学研究科の理念である領域間融合型の知識を得るための境界領域科目であるコア科目のほか、化学の専門を 深く究める科目があり、両方の単位を修得することが求められます。
また、研究室でのセミナーなどを通じての講究(演習)科目の単位を修得せねばなりません。入学後標準2年で修士論文を仕上げ、修士の学位が授与されます。院生の研究、勉学意欲の向上を目指して、「優秀学位論文賞」という顕彰制度も設けられています。

博士後期課程:博士の学位を目指す人

修士の学位を取得した後は、大学院に残ってさらに博士課程後期に進学し、研究の道を究めて博士の学位をめざす人、民間企業などへ就職する人などさまざまです。
平成31年度から令和4年度までの4年間では、174名の修士取得者のうち、博士課程後期進学者39名、民間企業等就職者134名でした。他大学で修士の学位を得た人が理学専攻(物質・生命化学領域)の後期課程に入学するケースも少なくありません。いずれの場合も標準3年の修業年限の後、博士論文を仕上げ、学位審査に合格すれば、博士(理学)の学位が授与され、一人前の研究者の誕生です。
また、特に優秀な学生には3年を待たずに博士の学位が授与される繰り上げ制度もあります。学位取得後の進路も、大学や研究機関の研究者、民間企業、種々の博士研究員など多彩です。

在学期間中の経済支援

在学期間中の経済支援としては、例えば日本学生支援機構からの奨学金制度があります。平成31年度から令和3年度までの3年間、博士課程前期(修士)に入学した133名のうち、第一種奨学金の貸与希望者が52名、この中で実際に貸与を受けられたのは52名でした。また博士課程後期では希望者全員が貸与を受けています。
また、優秀な博士後期課程学生をサポートする日本学術振興会特別研究員の制度もあり、採用された場合、早ければ博士後期課程進学時から給与(令和4年度で月額20万円)と研究費(毎年度150万円以内)が支給されます。平成31~令和3年度の3年間で18名が採用されています。

大学院生はTA(teaching assistant)あるいはRA(research assistant)として、理学部化学科や大学院の教育・研究に積極的に参加するようになりました。
TAは学部における授業や化学実験の補助を行うもので、毎年博士前期課程(修士課程)の学生を対象に採用されています。
RAは各研究室で進行する研究プロジェクトに参加し、必要な機器の管理や効果的な研究活動の推進の補助を行うもので、博士後期課程の学生を対象に毎年5名程度が採用されています。大学院生は、業務から得られる報酬を受けながら、教育・研究の指導者となるため、絶好のトレーニングを積むことができます。

Campus Life

キャンパスライフ

施設・講義室
トランスフォーマティブ生命分子研究所

名古屋大学の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の研究拠点。研究室も所在しています。

理農館

研究室・学生実験室・化学事務室が所在しています。化学教室の研究室が最も多く所在する建物です。

学生実験室

月〜金午後、3年生の学生実験が行われます。合成、分析から測定、生物実験までここで行います。

野依記念物質科学研究館

研究室・講演室・ケミストリーラウンジが所在しています。

講演室

120名収容可能な講堂。卒論や修論発表、セミナー講演などが行われます。ポスター発表やイベントを実施するスペースもあります。

ケミストリーギャラリー

1Fに米国化学会「歴史的化学論文大賞(2021年)」記念の盾が飾られており、2Fには野依特別教授のノーベル賞展示室があります。等身大の野依先生がお出迎えします。

ノーベル展示室

2008年ノーベル化学賞受賞された下村脩博士、物理学賞の小林誠博士、益川敏英博士についての展示室があります。

化学事務室

化学教室に関わる学務、会計、庶務等事務的業務を横断的に行っています。学生の顔が見える距離にあり、縁の下の力持ち的存在として教員と共に学生の皆さんの支援業務を行っています。

第一講義室

3年生や大学院の授業はここで行われます。理学部A館内にあります。

第二講義室

学部2~3年生の授業が行われます。理学部B館内。夕方には学生が自習、レポート作成や宿題に取り組む姿が見られます。

第三講義室

学部2~3年生・大学院の授業が行われます。理学部C館内。遅くまで残って自習に使われていることも。整備が行き届いています。

理学部図書館

図書の利用のほか、勉強スペースもあります。化学教室の学生もよく利用します。キャンパス西地区には中央図書館があります。

理学部教務学生係

理学部全体の学務に特化した部署です。学生に関わる各種証明等の公的文書はここで発行してもらえます。また、大学全体に紐づいた届け出などもここで申請します。

カフェ• 食堂
シアトルズエクスプレスカフェ

カフェラテやランチメニューなど、テイクアウトすることもできます。スターバックスはキャンパス西地区の中央図書館内にあります。

シェ• ジロー

ダイニングフォレスト

カフェテリアスタイルの学生食堂。午前の授業の後は大変賑やかです。夕食も提供しています。日替わりメニューなど、理学部生の胃袋を満たしてくれます。

レストラン花の木

和食のレストラン。ランチセットが頂けます。ランチボックスも販売しています。

ショップ
Booksフロンテ

理工書專門の書籍店。文庫新書・雑誌や文具・日用品も販売しています。

理系ショップ

パン・おにぎり・飲料・菓子の売店です。お弁当を買って研究室へ。

コンビニエンスストア

7〜23時で営業しています。化学教室に最も近いファミリーマートです。

教育研究強化プロジェクトでの教員・学生間の交流

化学教室の研究室は、その他の部局との連携も通じ、様々な外部資金による教育研究活動を活発に展開しています。これらのプロジェクトの一部では学生が重要な役割を担います。普段は研究室で研究や勉強にこもりがちですが、プロジェクトの一環としてキャンパス内外で行われる研究会・交流会に参加することがあります。
研究室の枠組みを超えて教員・学生間の交流が行われ、学生は広い接点を持つことでより多くの経験を得ることができています。本化学教室の学生は、このような活発な交流の機会を多く持つことができ、キャンパスライフの充実度を高めています。

これまでの実績としては,卓越大学院プログラム「トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院(GTR)」のリトリート合宿や成果報告会への参加など、異分野の研究発表を聞いたり異分野の研究者と交流したりする機会が多数ありました。また、国際先導研究―国際共同研究加速基金を通じて,名大学際統合物質科学研究機構とドイツミュンスター大の交流シンポジウムが開催され,学生も主要な参加者として国際的な交流(訪問研究・共同研究)にコミットしています。

GTR参加の教員・履修生の声のページ
IRCCS-IRTG-GTR Joint Symposiumの様子

卓越大学院GTRリトリート合宿IRCCS-ドイツミュンスター大 交流シンポ