研究室・研究グループ

化学教室は、10研究室・1グループによって研究・教育が行われています。有機化学系、物理化学系、無機・分析化学系の研究室から構成されます。

Organic Chemistry

有機化学系

有機化学研究室 (有機化学研究室)

Organic Chemistry Laboratory

~分子をつなげて価値を生む合成化学~

我々の夢は、合成化学の力を結集させて画期的な機能性分子を世に送り出すことです。この究極のゴールを念頭に、触媒が拓く新合成化学を基軸としたものづくり研究を行なっています。

機能有機化学研究室 (山口研究室)

Functional Organic Materials Laboratory

~革新的機能性分子の創製に挑む~

分子において、σ電子が原子どうしを連結させ、分子骨格を形づくる根幹的役割を担うのに対し、π電子は、発色、発光、電子物性、磁性など、分子の電子的性質を決定づけます。自然界にもπ電子が伴となる機能分子が多く存在し、生物発光、光合成、色の認識など多様な機能を生み出しています。

生物有機化学研究室 (阿部研究室)

Bioorganic Chemistry Laboratory

~化学を基盤とする核酸医薬品の開発~

生命現象に影響を与える生理活性分子および機能性分子の設計原理を有機化学と分子生物学の両観点から研究している。具体的には核酸誘導体を合成し、創薬を志向したタンパク質機能制御および遺伝子発現制御法の開発を行っている。有機化学によるこれらの合成と分子生物学による機能評価は両分野に精通している研究室ならではの研究である。

(野依)特別研究室 (斎藤グループ)

Noyori Laboratory

~「完全化学反応」の実現に挑戦する~

収率100%かつ選択制100%の「完全化学反応」の達成は、学術的に重要であるだけでなく、将来の化学産業を支える礎にもなります。さらに、地球環境を蝕み続けてきた未熟な化学反応を用いる工業プロセスを完全化学反応に切り替えることは、化学に対する社会的な要請です。特別研究室では、この観点に立脚して、有機金属化学に基づく新しい反応剤および触媒を開拓することにより、完全化学反応の実現に取り組んでいます。

Physical Chemistry

物理化学系

物性化学研究室 (阿波賀研究室)

Advanced Materials Laboratory

~有機エレクトロニクスの研究~

物性化学研究室では、分子物性研究で培われた有機ラジカルなどの特徴ある分子により、界面電気2重層などの新しい構造を取り込んだ有機エレクトロニクスを提案するとともに、デバイス構造を利用することによって新奇な分子物性を引き出す研究を推進しています。

光物理化学研究室 (菱川研究室)

Photo-Physical Chemistry Laboratory

~極限的な光による新奇現象の探索と物質制御~

光物理化学研究室ではコヒーレントな光の持つ性質を駆使し、先端的分光手法によるフェムト・アト秒領域の超高速分子ダイナミクスの可視化、波形制御した高強度レーザーパルスを反応場とした新奇化学反応過程の開拓と制御に向けた研究を進め、物質科学の新たな展開を目指しています。

量子化学研究室 (柳井研究室)

Quantum Chemistry Laboratory

~コンピュータを用いた理論化学と量子化学の深化~

本研究室では、先端的な量子化学計算法を駆使した理論研究を進める。そして、挑戦的な化学電子論の問題に向けて、より高い適応性を有する先進的な理論とそのアルゴリズム、高性能ソフトウエアの開発研究を行う。計算の力を最大限に利用し、実験研究者が抱える問題や未知なる化学や生物化学の謎の解明に取り組み、原理や理屈を導き出すことを目指す。

Inorganic and Analytical Chemistry

無機・分析化学系

分子組織化学研究室 (田中研究室)

Molecular Architecture Laboratory

~分子を組織化して新しい分子機能を創り出す~

分子組織化学研究室では、有機分子、金属錯体分子、高分子、生体分子など、様々な分子を組織して、新しい人工機能分子システムを構築することを目指しています。例えば、分子サイズの小さな孔が無数に空いた液体を作り、新しい反応場を構築することや、金属錯体を高次に組織化して、エネルギー変換に通じる新しい触媒を作り出すことにチャレンジしています。

無機化学研究室 (唯研究室)

Inorganic Chemistry Laboratory

~触媒を創り、触媒の姿・働きを観る~

身の回りで用いられている物質は、地球上の限られた資源から作られたものであり、その物質合成には触媒が大きな役割を果たしています。無機化学研究室では、触媒をキーワードに、新しい無機化合物を作り、優れた触媒作用をもつ新物質を生み出す研究に取り組んでいます。特に、燃料電池の要である電極触媒は、発電時の燃料電池セルの中で起こる様々な現象、課題を、基礎から明らかにしながら、新しい触媒材料の開発を進めています。

生物無機化学研究室 (荘司研究室)

Bioinorganic Chemistry Laboratory

~生体活動をつかさどるタンパク質の理解と応用を目指して~

生物無機化学研究室では、金属蛋白質や人工核酸を利用する新しい物質変換系や分子認識手法の開発を行っています。我々の研究室では、金属酵素が対象としている基質の偽物を酵素活性化分子として取り込ませる手法や、金属蛋白質中でその機能の根幹となっている金属錯体を合成金属錯体に置き換えることで、天然に存在する金属蛋白質の機能を大幅に変更する手法などを開発しています。

Associated groups

グループ

有機金属・材料化学グループ (Cruddenグループ)

Organometallic and Materials Chemistry Group

~有機分子と金属が拓く多様な物質変換と機能創出~

有機金属化学は有機分子と金属元素のそれぞれの特性を融合することで、従来にない全く新しい機能を生み出す可能性を秘めた学問分野です。私たちの研究グループでは有機金属化学を基盤とした革新的な分子変換を可能にする新しい触媒や反応剤を開発することで、 真に効率的な分子構築を目指しています。また研究グループで培った知見を活かし、生物学者との融合研究による新しい分子ツールの開発にも挑戦しています。