先生と学生、先輩と後輩といった、歳による垣根がなく自由活発に学問を学べる環境であると思っています。准教授の先生とは毎週ラーメンを食べに行っているくらいです。一方、化学に対しては皆全力を尽くしています。僕自身研究室に入ってからも、同期や先輩後輩がとても真剣に研究に熱中しているので、お互いに切磋琢磨できるいい環境だなと感じています。
炭素からなる分子である有機化合物を自分の手で合成し、その性質を明らかにするという目標を持って研究を進めています。特に僕は2つの軸で研究を進めていまして、1つは「未踏の美しい形の分子を作ること」、もう1つは「美しい構造をもつものを作るための新しい化学反応を開発する」という2つの軸で研究を進めています。具体的には、ダイヤモンドの部分構造をもつ分子という、これまでにない美しい形をもつ分子を作る研究を行っています。また、新しい化学反応を開発するという面では、叩く・粉砕するといった機械的な刺激を使って化学反応を進行させるという研究も行っています。
自分の頭で考えた実験がうまくいったときが最も嬉しかった瞬間です。実験結果を解析した時の興奮は今でも忘れられません。自分の発見で教科書が書き換わるかもしれない、と思うと研究はワクワクしますし、何十回も何百回も失敗をした上での成功というものは、何にも代えがたい喜びですね。
将来は大学の先生になりたいと考えています。やはり研究は楽しく、これからも続けていきたいとは思っているのですが、化学を教えていくことにも興味があります。化学科での院生生活の中でティーチングアシスタント(TA)をさせていただく機会があり、そこで講義や実験補助に携わったのですが、そのときに教えていた学生が、実際に化学科や自分の所属している研究室に入ってきてくれたんです。研究ももちろん全力で行いつつ、研究だけでなく、教育を通じて「化学っていいな」と思ってもらえるような大学の先生になりたいと考えています。
高校生のときから化学が好きだったので、化学系の大学に行こうと考えていました。その化学で有名な大学を考えるにあたって、真っ先に思いついたのはノーベル賞でした。理学部に関連するノーベル賞受賞者の先生方がここでは非常に多く輩出されているので、自分もそのような環境のもとで学びたいなと考えたからです。
化学科を選択するにあたっては、施設や実験の設備が充実しているという点が大きな理由です。また、学部1年のときに受けた化学の授業の中で感じた、先生の熱いパッションに惹かれたからです。自分も情熱に満ち溢れた環境で化学をしたい、と感じて化学科への進学を決め、間違いなかったと思っています。